南太平洋の自然と文化展

●開催にあたって

　南太平洋の島々は、地形や気候、文化等の違いから、ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアに分けられます。

　ニューギニア、ニューカレドニア、ニュージーランドを除くと、世界の３分の１を占める広大な海洋に散らばるケシつぶのような数千の島から成っていて、２５の国と地域に分かれています。

　メラネシアに属するニューカレドニアのラフォア市と鶴岡市は１９９５年友好都市の盟約を締結し、教育、文化、観光、産業などあらゆる分野にわたる交流を通し友好の絆を強くしてきました。友好都市提携１０周年を記念して「南太平洋の自然と文化展」を企画しました。

　南太平洋の伝統的な漁具や生活用具、タパ（樹皮布）、儀礼用具、ストーリーボード等の資料の他、南太平洋の海に生息する多様な形と色をしたエキゾチックな貝類の標本も展示しました。ニューカレドニアの他、バヌアツやパラオの民族資料や太平洋芸術祭の写真パネルも展示しています。

　
　２００４年夏、私はパラオで開催された太平洋芸術祭に参加する機会を持ちました。このフェスティバルでは、南太平洋の伝統的な芸術を媒体として、全ての参加国のアーティスト間の絆が再確認され、南太平洋諸国の連帯とアイデンティティーを強めていきました。

　昔から多くの人々が行き来し、島と島とを結びつけてきた南太平洋が「共生の海」となったのです。

　果てしなく連なる紺碧の海、エメラルドグリーンの珊瑚礁に囲まれヤシの木々が茂る白砂の島々。こうした「南海の楽園」の自然と生活に思いを馳(は)せていただければ幸いです。